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佐藤 壽三郎

Author:佐藤 壽三郎
1947年8月生まれ

趣 味 囲碁・歴史考察・墨書

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千曲のかなた: 須坂市議会議員 佐藤壽三郎
「千曲のかなた」の由来は、郷土が全国に誇れる大河 「千曲川」と、千曲川のかなたに連なる信濃五岳、北アルプスや四方の山並を超えて遠望する私のねがいです。  「千曲のかなた」を通じて私は故郷から巣立った青年たちに熱いエールと郷里の情報をおくり続けます。「ふるさとは永久に緑なりき」と・・・
毎日の夕餉の有難味
毎日の夕餉の有難味

 先日来よりⅩ(バッテン)が上京したこともあって、私は単身となったのを良いことに、夕飯は須坂のあちこちの店を食べ歩くこととした・・

 某牛丼屋に足を踏み入れたところ、女店員より「カウンターでお願いします」と、極めて役所的な喋り方で「位置指定」受けた。些かむっとしたが堪えて、女店員の指定された場所に座った・・・

 品書きを見て「あれとこれ」を注文した。注文するが早いか「あれとこれ」らしきものが届いた。どうも「これ」が注文したのと違う様な気がしたが、「これもどき」も又良いかと、鷹揚に構えて「これもどき」の味噌汁を口にした・・・

 店内を見渡すに、明らかに「おさんどん」が苦手そうな若い夫婦一家のテーブルが目に入った。夫ももう慣れっこになっているのか、諦めているか食事もしないでゲームに熱中だ。子どもたちもこの某牛丼屋に慣れっこになっているのか、食べたり遊んだりと食事に集中していない。母親は壁に寄りかかって料理を口に運んでいる。どうも母の手作りの夕餉を知らない家庭らしい気配だ・・・

 カウンタ-には数えると、明らかに高齢者が4人がそれぞれに陣取っていた。この店は老人はカウンターに座らせて対応するマニアルがあるようである。私の隣りの老人は、「この店の〇〇はお勧めだよ」と話しかけ、更に「この店の朝飯・卵かけご飯が安くて旨い」と教えてくれた。この老人は「朝夕此の店で食事を済ませている」話ぶりであった。他の老人たちを見ると、どの御仁もどうやら連れ合いがいないようで、この店で夕飯をとることを常連としているようだ。

 おや?身なりの調えた老人がカウンターの対席に陣取った。チャップリンが「ライムライト」で演じたバイオリン弾き張りの出で立ちであり、田舎町須坂の牛丼屋にはどう見ても違和感があるが、本人は至ってこれが平服である気取りである。どうやら彼もこの店の常連客であることが窺えた。手慣れた様子で店員とやり取りをして、今夜の食事のオーダーしているが、この老人も連れ合いを亡くしている雰囲気が漂っている。屹度、若かりし日々は都会で生活し、故あって都帰りの御仁なのだろう。外食をするに牛丼屋であろうが、きちんと正装しこの店に来るのが楽しみらしい。えらい・・・

 であれば、男性の高齢者で且伴侶を失った御仁の食事は、自炊ともなれば食材の調理、そして食後の食器の洗浄や食材の後始の処理もいらない、このような店で済ませることが楽なのかもしれない。然し世情はかって町場にあった定食屋を激減させて、焼魚や煮魚を提供する店も少なくなってしまっている。彼らの食の楽しみを失ってしまった社会状況を垣間見たような気がした。
 してみれば、私の座っているカウンターは「高齢者専用指定位置」なのかと・・・

 がやがやと騒々しいテーブルは、高校生が数人で夕飯というより「こびれ」を食べているようである。学校祭も間近であるので、屹度学校を抜け出して来て、腹拵えをしているのであろう。遠い遠い高校時代に私も同様のことをしたことを思い出して懐かしく感じたが、然し彼らは家に帰れば母親が作ってくれた夕餉が待っていることを、私自身の遠い思い出として亡き母がオーバーラップした。

 さてさて・・・腹も満腹になった・・・
支払をして領収書を確認すると、案の定「あれとこれ」を注文した筈が、「これ」として私は「とん汁」を特注したにも拘わらず、食したのはセット付の「味噌汁」であった。然も厚かましく領収書にはちゃんと「とん汁」料金が付されていた・・・

 仮にも、女店員が「老人だから文句は言わないだろう。」「老人は注文を間違えても怒らない。」の感覚で接客していることがありありと感じる雰囲気であった。これは私に対応した女店員個人の横着かもしれないが不快であった。

 食材宅配業者も普及しつつあるが、近い将来高齢者の食事を行政が手を差し伸べるべきか否かが大きな問題となろう。

 Ⅹが作ってくれる毎日の夕餉の有難味を諭されたことを思えば、「とん汁」代150円は、今日は御賽銭と思えて苦情の申出は止めて帰宅した。

 ※Ⅹ(ばってん)とはアマ無線用語で「かみさん・女房」の意味である。


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