市長の反問権の提唱について 今や全国各地の地方議会で、問われたことに答弁するばかりの市長が、議員に逆質問できる「反問権」が広がっています。市長と議会が対峙する、二元代表制の原則からしても、市長の反問権は当然あるべきだと、私は平成11年2月に市議会議員に初当選し、一般質問に議場で臨んだ時から改めて、議長席の位置の疑問と市長に反問権を与えるべきだと強く感じて、会派内の話し合いの場で改正を提唱しましたが、先輩議員の殆どは「反問権て何なんだい?」程度の感覚であり、「議員活動に負荷がかかることは、なるべくしない方良い」とする風潮が強くて、新人議員の提唱など取り合ってくれませんでした。
そこで、私が市議会議長に就任した平成21年2月に、「反問権について須坂市議会も取り入れたらどうか?」と提唱しましたが、当時の議会運営委員には,「反問権」自体未だに良く理解されておらず、再び不発に終わりました。私の一連の議会改革の発案等は、この年の地域創造のための専門情報誌『日経グローカル』(日本経済新聞社産業地域研究所発行)においての議会改革度で須坂市は全国31位にランキング(トップは京丹後市、3位は松本市、長野市29位)の評価を受けましたが、今でも提唱した地方議会の改革が悉く、反目或いは阻止されたことは洵に力及ばす忸怩たる思いでした。
議員は、とかく独善的且つ利己的で一方的な「言いたいことを誇張して展開」し、理事者側の発言に全く聞く耳を持たない。或いは自己陶酔しきった一般質問や委員会発言にどうも陥るきらいがあります。自分の『型』だと主張されればそうかなと思いますが、どうも袖のしたから鎧が見える譬えもあるように、これは明らかに有権者を意識したパホーマンスであり、公の議場や委員会審査等の場での行為としては、市民のための公益性に乏しく私益優先と映ります。こんなことは許されませんし、公の場での議員行動として許してはなりません。自分の催す後援会活動で支援者に語るべきものです。
議員としての資質そのものを含めて、個々の議員の議会活動の内容が広く市民に知ってもらうためにも、市民の公正な審判(選挙)を受けるための情報提供としても、「市長の反問権」の採用を拒否する必要は更々ないと思います。この仕組みは「議会制民主主義の当然の帰結」であり、市民が最も関心を抱く要求であり、「市長の反問権」は「透明性のある行政・議会運営」に資するものと、私は市議会議員になる前から、市議会のTV中継を観る度に抱いていました。
一問一答方式、対面方式は、初当選した時から提唱しましたが、検討することも許されませんでした。反問権の提唱、消防団員への活動服提唱も拒否された経緯があります。
全く市議会議員は「時代を読む」に欠けている集団に思えてなりません。もっと垢抜けし、市民の負託に応え得る、豊富な資料の収集と分析に立って、是々非々が問える知的集団に市議会は脱皮すべきと常々思っております。
私が23年前に提唱した「一問一答方式、対面方式」は、年長議員に阻まれて須坂市議会は全国の地方議会で二番煎じで採用されましたが、今や全国の殆どの地方議会に採用されています。
「首長の反問権」は、後に町議会が始めた議会改革の波となり、新潟市や堺市、北九州市といった政令指定都市など全国にも広がりました。長野県内では、飯田市、佐久市、安曇野市が議会改革として先取りされております。提唱者として、未だに採用されていない当市議会に歯痒さを感じます。
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テーマ:地方自治 - ジャンル:政治・経済
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