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佐藤 壽三郎

Author:佐藤 壽三郎
1947年8月生まれ

趣 味 囲碁・歴史考察・墨書

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千曲のかなた: 前市議会議員 佐藤壽三郎
「千曲のかなた」の由来は、郷土が全国に誇れる大河 「千曲川」と、千曲川のかなたに連なる信濃五岳、北アルプスや四方の山並を超えて遠望する私のねがいです。  「千曲のかなた」を通じて私は故郷から巣立った青年たちに熱いエールと郷里の情報をおくり続けます。「ふるさとは永久に緑なりき」と・・・
四阿おろし
四阿おろし

此の時季の信州は極寒の日々と言える。
郷里の根子岳、四阿山そして浦倉山は、火山であった四阿山(あずまさん)の外輪山が峰として呼称されているのである。この外輪山は上田市(旧真田町)、群馬県嬬恋村そして須坂市にまたがる大きなものである。

ところで、菅平の今朝の最低気温を調べると、何とマイナス20.3℃とあった。菅平は日本中で一番冷え込む時もある位に、兎に角冬は寒い場所として名をはせる。四阿山のこの寒気が菅平高原や峰ノ原高原に下る。一方の寒波は米子の滝から遠い昔は噴火口であった底に流れ込む。米子川伝いに米子渓谷を一気に下る。米子町、夏端団地更に渓谷から扇状地となる村石町や大日方町は、この冷気をもろにかぶることとなる。この寒さが深々と冷えこむことを昔から「四阿おろし」と呼ぶ・・・

米子川は灰野川と合流し、百々川となりやがて千曲川に注ぐが、百々川沿いにある我が須坂市南部地区にも必然「四阿おろし」の寒気が容赦なく襲うこととなり、車のフロントガラスには寒気の氷塵で覆われ、窓ガラスには車内の水分が氷の結晶となって張り付き、車は震えあがっているようだ・・・

然し、この寒じる「四阿おろし」が須坂の子弟にとっては、格好の心身を鍛える寒さとも言える。此の時季に行われる柔道の「寒稽古」がそれだ。道場の畳が冷た過ぎて足の裏は寒さも感じない位に冷たく痛い。道着に着替えて柔軟体操をし、受け身をして畳の上で体を慣らす。暫くすると体が温まって強張りがなくなり、段取り稽古もできるようになる。いきなり段取り稽古に入ると体が寒さで硬いので怪我をしてしまう。

毎年此の時季に催される「寒稽古」は、心身鍛錬の文化かもしれない。「寒稽古」を乗り越えた果てにあるのは、寒稽古に皆勤すると褒美として新聞社の名入りのメタルを頂いた。皆勤した満足感は更に共に汗をかいたという揺ぎ無い友情と信頼の醸成であったと思うが、その友も今は天に召されて居ない・・・
フロントガラスが寒気で真っ白になるこの時季、私は遠い昔の少年時代の「寒稽古」を思い出す。


大寒の証(あかし)



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